続・女好き彼氏
今までの
小麻里の言葉とは思えないほどの
低音の声ときつめの言い方。
そんな、小麻里の
本性にも驚いたが今、俺が一番驚いているのは
「美夜が……俺を好き?」
その言葉の方が驚いた。
「は?わかってなかったんですか?
見てれば誰だってわかるのに。
自分のことになれば、ほんと……鈍感ですね」
ため息混じりに小麻里に馬鹿にされた気がする。
って、そうじゃない。
いやいや、待って。
ちょっと落ち着け、俺。
いきなり色々なことがわかって
自分の頭がついていかない。
えっと、だから………なに?
俺は小麻里じゃなくて
美夜のことがすごく好きで
そんな美夜も
俺みたいなろくでなしのことが
好きってことでいいんだよな?
聖斗とか
海哉とか
他のやつじゃなくて
俺のことが………
好き?
そう考えただけで
さっきまでと比べ物にならないぐらい
体が熱くて湯気でも出てきそうだ。
そんな、俺を見て
小麻里はまたため息を吐く。
「ほんと、兄弟そろって
ろくでなしですね」
ぼそっと呟かれた言葉だったが
俺の耳には十分すぎるぐらい聞こえてきた。