続・女好き彼氏
「き、兄弟そろってって………
なんで、聖斗のこと知ってんだよ」
ちょっとした
些細な問いかけ。
少しずつ冷静になっていく俺とは逆に
小麻里は体をびくりと動かして
まるで、「しまった。」っとでも言うように
目を見開いている。
?
なんで、小麻里は黙ってるんだ?
俺、なんかまずいこと言った?
そんなことを考えて
下を向いている小麻里の顔を覗き込んだ。
ああ、そういえば
小麻里って付き合う前から
どこかで見たことあるなっと思ったことがあったな。
あれって………
なんでだっけ?
もうすっかり落ち着いた頭で
俺は自分の記憶を漁る。
「あ、………わかった」
俺は思い出した。
小麻里のこと
どこかで見たことがあった。
学年も違うし
俺は美夜しか見てなかったし
正直どこかで見たような
なんて、同じ学校にいれば
すれ違ったことぐらいあるだろう。
その程度しか思ってなかった。
なのに………
ああ、思い出しちゃったよ。
思い出さない方が
よかったのかな?
俺は小さくため息を吐いた。
そんな俺に
小麻里は小さな肩をびくりと震わす。
「なんで、小麻里が俺と付き合ってって
告白してきたのか、やっとわかったよ」
一目でわかる
小麻里の動揺。
「まだ、聖斗のこと好きだったの?
聖斗の元カノさん?」