続・女好き彼氏
小麻里は小さな肩をびくりと動かす。
そう、思い出したんだ
小麻里が聖斗の元カノだったことを。
聖斗の初めての彼女だったことを。
でも、聖斗は小麻里のことを
好きじゃなかったって言ってたな。
カタカタ震えだす小麻里の体。
そんな、体に俺はソっと手を伸ばす。
すると…
バチンッ!
思いっきり手を払い除けられた。
「いッ」
い、痛い。
なんで俺、叩かれたんだ!?
っとゆうか……
なんで小麻里は泣きそうな顔してるんだ!?
「……ーーーし…」
小麻里は泣きそうな瞳で
俺のことを睨みつけながら
口を開いた。
ぼそっと呟かれた小麻里の声が
俺には聞こえない。
な、なんて言ったんだ?
俺は小麻里の声をはっきり聞くために
少し小麻里に近づいた。
「………じゃ、ないし」
「え?
」
声が小さすぎて聞こえてこない。
ん?
なんて、言ってるんだ?
俺はもう少し小麻里に近づいた。
すると………
「別に聖斗のことなんか好きじゃないし!」
いきなりの
叫び声にも似た小麻里の声。
今度は、
俺の大切な鼓膜が破かれるところだった。