ひざまくらの後は?
私が小学2年生のときに新聞社の開催する全国小学生読書感想文コンクールでお姉ちゃんが賞をとった。

この日の授業参観で私は、数ヶ月前から準備をしていた図工の授業で作った紙粘土での街づくりの発表だった。


先生に褒めてもらえて、自分なりにもかなり満足いく出来だったけど、お母さんがこれを褒めてくれることはなかった。


どこまでも大人の期待に応えられる姉に対して、4つ下の妹は姉より優れているものは一つもなく、姉が通っていた中高一貫の有名私立校に私が受験で落ちたときにはついに期待もされなくなった。




「天音、うちの学校落ちたんだって?」

高校の制服に身を包んだ姉が帰ってくるなりリビングにいる私に声をかける。


「……はい、私の頭じゃダメでした。やっぱりお姉ちゃんはすごいですね」

でも内心ホッとしていた。

お姉ちゃんと別の学校にいけば比べられることがないから。

通っている小学校では、秀才として有名だった姉の4つ下の妹とはどんな子なのかと教師の間で話題になっていたらしい。

事あるごとに比べられ、姉の優秀さを耳にタコができるほど聞かされた。

そんなの、家で十分過ぎるくらい聞かされているし実感もしているのに……。



「まあ、天音の頭じゃ難しいかもね」
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