‡いとしきみ‡
「そろそろ行こうか」
 
 
そんな言葉で同窓会に行くメンバーの奴らが、ぞろぞろと移動し始める。
 
今は4時半で、たいていの店はまだ開いていないだろう。
何処に行くのだろうと考えていたら、
 
 
「なら連絡しとく」
 
 
翔太が携帯で、何処かに掛け始めた。
不思議に思っていると、
 
 
「今日、翔やんのママンのお店で1次会〜」
 
 
稔が答えて来た。
まだ何も聞いてないのに、流石だ稔!(笑)
 
 
「この時間じゃ居酒屋とか開いてないし、カラオケかって話してたら、翔やんのママンが、スナック特別に俺達の貸し切りで、早く開けてくれるって事になったのよ」
 
「そーなんだ?偉大だな、翔太母!(笑)」
 
「だしょ!…まぁ威張って言ってみたけど、俺のママンじゃないけど」
 
 
話していると、電話を終えた翔太が戻って来た。
 
 
「伝えといたー!“MOON”って店、場所分かる人は勝手に行っていいよー!分かんない人は僕に着いて来てねぇー!」
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