満月の夜に逢いましょう
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『ねぇ…、こんなんで本当に彼につりあうの?』
鏡に映った自分に違和感を覚えながら、アタシはチナに尋ねた。
金髪でクルクルと巻かれた長い髪に
今時風な短めなスカート
アタシじゃない何かがそこにはいる。
「ワタシの見立てに文句でもあるの?」
怖い顔で笑いながら、アタシはタックルされた。
痛みをこらえ腰をさすりながら、アタシはもう一度鏡を見て、息をはいた。
やっと彼を見つけたんだから、ちゃんと恩返ししなきゃだ。
キュッと小さく拳を握り、アタシは歩き出した。