俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
――しかしその日、先輩は一度も学校へ来なかった。
それどころか……次の日も、また次の日も、連絡はとれず。
「連れていってやる」――その約束も、果たされなかった。
どうしちゃったの…先輩。
なんで連絡してくれないの?
どうして?
毎日毎日、そんなことばかり考え続けた。
最初に連絡が取れなくなって、もう、五日……。
「あ…君」
「え…?」
もしかしたら来るかもしれない、と淡い期待を抱き、毎日部屋に通っていたあたし。
膝を抱えて座り込むあたしに、聞き覚えのある声がかかった。
「あ……先輩の」
お友達の人だ。
「薫だよ。どうしたの? 君」
「いえ…」
ここに来るたびに、毎日クロワッサンを買い続けている。
だからもう…三袋も。
それをつつきながら、苦笑いで答えた。
「もしかして……龍樹待ってる?」
あたしの隣に腰掛けて、そう聞かれる。
「……いえ、あの……」