Snow Princess ~雪の華~
「マリン様。先ほどのお姿、大変感動いたしましたわ」
「全くですの。以前のあの小さく可愛らしいお姿からは想像もできませんわ」
「今ではすっかり、立派になりましてこのような場に及びいただき光栄ですわ」
儀式が終わり、パーティに変わると同時にマリンは貴族たちに囲まれた。
──よかった。マリン様は大丈夫みたい。
──でも、あの人のことよ。絶対にボロを出すから、落ち着いたらあれを掻き分けていかないと
リリアにとっては、ここから先こそが仕事。
気が重くなるようだった。
それでも、割り切って人ごみの中へと向かって行った。