Snow Princess ~雪の華~
広間の入り口で結界から出る為にリリーに教えてもらった印を結んだ以外、二人は立ち止まることなく鏡のある書斎まで走った。
扉を開くと、以前と全く変わらぬ様子で鏡は壁に鎮座していた。
リリアは鏡を見つめ唾を飲んだ。
キーファはいぶかしんでリリアを横目で見た。
リリアは深呼吸をしたが、全く意味をなさず、顔は喉が詰まったように赤らんでいた。
「なぁ」
「うるさい!」
「だったら早く言いなさいよ、焦れったいなぁ」
鏡に写ったリリアが突然喋って文句を言った。
リリアは本当に喉が詰まり一気に顔が赤紫に変わった。