Snow Princess ~雪の華~
リリアはキッと顔を上げた。


「今すぐ王様たちに知らせて騎士団をここに向かわせて! 少なくとも小隊二つくらいは!」

「あ、ああ!」

「場所は…ベリル教皇の屋敷よ。
今は何も聞かないで! 後でちゃんと言うから」


キーファが口を開く前にリリアが厳しい口調で言う。
リリアが真剣な瞳で見つめるとキーファは肩をすくめた。


「言わなかったら許さねーかんな!」


それだけ言うと部屋を出て走り去った。


「さて、私も―」

「待ちな。お嬢さん」


ドアに手をかけたところで、鏡がリリアを呼び止めた。


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