Snow Princess ~雪の華~
マリンはリリアに連れられ、応接間に入った。
何故書斎ではなく応接間なのか、わからなかった。
家臣たちが壁際にズラリと並んでいるのを見ると、マリンは背筋を伸ばした。
「何ですか?」
シャーマは顔を上げると単刀直入に切り出した。
「行きたくないそうだな」
「はい」
マリンは出来るだけはっきりと答えた。
シャーマは眉間のシワを触りながら、悩ましい表情で言った。
「だがお前ももう16。相手を見つけてもいい頃だろう?
更に、隣はお前を迎え入れてくれるという。
何が不満なのか?」