さくら木一本道

（龍巳）「さくヤン!! 俺もさくヤンが家に帰れるようにさくヤンの手伝いするからさ!! 頼むから許してくれよ!!」






‐シ～ン…‐



（勇次）「……」



龍巳は言葉と同時に襖を叩く、



（龍巳）「さ!!」

‐ドンッ!!!‐



（龍巳）「く!!」

‐ドンッ!!!‐



（龍巳）「ヤ!!」

‐ドンッ!!!‐



（龍巳）「ン!!」

‐ドンッ!!! バタンッ!!!‐

（さくら）「やかましいわぁぁぁぁ!!!」



いきなり開いた襖からさくらが現れた。



（龍巳）「うおッ!？ 出てきたぜ勇次どうする？」



（勇次）「いや、出てこさせるためにやったんだろ？」



本来の目的を忘れている龍巳に対し、さくらは不機嫌に睨み付けている。



（さくら）「ドンドカドンドカうるさいのよ!!」



（龍巳）「さくヤンがすぐ出てこないからいけないの」



（さくら）「出てくるわけないでしょ!？ 私はキレてるのよ!？ わかってる!？」



（龍巳）「わかってるさ、本当に悪かった。さくヤンの話信じるからさ」



（さくら）「私がキレてるのはそこじゃなぁぁぁい!!!」



（龍巳）「？」



（さくら）「アンタが私の… わ、私の… む、む、胸… ぺ、ぺちゃ… ぺちゃぱ… ぱ…」



（龍巳）「？」



（さくら）「こ、コンプレックスにふれたからよ!!!」



（龍巳）「？」



さくらがなにを言っても、龍巳はポカンとした顔をしている、こんな顔をするときの龍巳はなにも分かっていないのだ。



（さくら）「あぁぁぁぁ!!! 勇次!!!」



（勇次）「俺!？」



怒りの矛先が勇次に向けられる、

とばっちりもいいところだ。



（さくら）「アンタといいコイツといい、なんでこんなにデリカシーが無いわけ!!？」



（勇次）「し、知らねぇよ、てゆーか俺がお前のコンプレックスに触れたのは不可抗力だろ」



（龍巳）「さくヤン!! ゲームやろうぜゲーム!!」



（勇次）「はぁ!？」
（さくら）「はぁ!？」



また龍巳が話を違う方向へ持って行く、



（龍巳）「勇次の部屋でさ、俺かなりゲーム持って来たんだぜ？」



（さくら）「もう知るか!! 勝手にやってろ!!」



‐バタンッ!!‐



そう言ってさくらは、また部屋の中に入ってしまった。



（龍巳）「うおッ!？ また部屋に閉じこもったぜ勇次どうする？」



（勇次）「だからいちいち俺に聞くな!!」



「だからあれもこれも貴様のせいであってだな‼んん‼?」と勇次は思っていた。

それを言わないのは、「バカに塗る薬はない」と知っているからである。



（龍巳）「……せっかく銀拳持ってきたのに…」