さくら木一本道
(龍巳)「これでよし…と、勇次、銀拳のソフトとってくれ」
(勇次)「おう、うお!?」
勇次が驚く理由は、龍巳の鞄の中に大量のプレシテ3ソフトが詰まっていたからである。
(勇次)「10… いや20枚はあるぞ!?」
(龍巳)「いっぱい持ってきた方が気分に合わせて楽しめるだろ?」
(勇次)「そ、そうか?」
(龍巳)「さあ、銀拳をよこすんだ勇次」
(勇次)「お、おう… 銀拳銀拳…っと……?」
いくら鞄を漁っても、銀拳らしきソフトは見当たらなかった。
(龍巳)「そんなバカな!? 確かカバンに入れたはず…」
(さくら)「遅い、もうセットしちゃったわよ」
さくらは余程「銀拳」がやりたかったらしく、勇次と龍巳がテレビに振り返る頃には、銀拳の文字が映っていた。
(勇次)「早ッ!!」
(龍巳)「早ッ!!」
(さくら)「さあ、どっからでもかかって来なさい、私の「国士無双」を見せてあげるわ」
(勇次)「何だコイツ!? 自分のコマンドに名前付けてやがる!!」
(龍巳)「おぉ~ さくヤン自信満々だねぇ~」
さくらは親指を下に向け、勇次と龍巳を舐めきった目で見下して言うのだ。
(さくら)「ふふふ… 銀拳の神の力の前にひれ伏すがいい!!」
(勇次)「……」
「神の…」だか何だかどうでもいいが、「の」が多くて馬鹿みたいに思える、
(龍巳)「よし、勇次行け!!」
それに続けと、隣のバカも騒ぎ始めた。
(勇次)「な、何で俺!?」
(龍巳)「さくヤンに殴り込みじゃい!!」
(勇次)「待て待て待て!! 俺は銀拳なんてやったことねぇぞ!! こんな毎日銀拳やってるような奴に敵うわけねぇだろ!!」
(さくら)「くくく… 負け犬はよく吠える」
(勇次)「お前のそのキャラはなんだ!?」
(龍巳)「勇次大丈夫だって!! 銀拳はビギナーズラックがよく出るから!!」
(さくら)「早くしなさいよ勇次、最初は手加減してあげるから」
(勇次)「ホントだな? マジで手加減しろよ?」
と言うわけで、初戦は勇次とさくらの対戦が決まった。
さくらは「間島 清八」を迷わず選び、勇次はランダムで「かかし」を選んでしまった。
(勇次)「か、「かかし」ってなんだ!? 戦えるのかコイツ!?」