さくら木一本道

そう言ってさくらは龍巳を指差した。



(龍巳)「お!! 俺と対戦するかい? さくヤン」



(さくら)「ふ… ゲーセンの銀拳じゃ飽き足らず、家でも銀拳やるなんて… アンタ、相当な手練れと見たわ」



(龍巳)「くく… 何を根拠に、俺はそこまで出来る人間じゃ…」



(さくら)「黙りなさい!! このソフトを持っていることが何よりの証拠よ!!」



両者見つめ合って黙り混む、

と言うか、二人ともキャラが変わっているような、



(龍巳)「……くくく… あはははははは!!! バレちゃあしょうがない、君がそこまで見切れる人間だとは思わなかったよ‼」



(勇次)「おい… ちょっと待て、何だこの茶番は…」



勇次は二人を止めようとするが、両者の茶番劇はまだ続く、



(龍巳)「しかし!! 君は僕の真の姿を知らない!!」



(勇次)「何かキャラ変わった!!」



(さくら)「な、何!? 5千…8千…1万… ヤツの戦闘力がどんどん上がっていく!!」



(勇次)「こっちも!?」



(龍巳)「見せてやろう!! 今世紀末覇者「拳王」の姿…」

(勇次)「さっさと銀拳やれやぁぁぁ!!!」



ついに勇次のツッコミが入った。



(勇次)「何でわけの分からない会話になってんだよ!! テメェら中二病か!! さっさと銀拳やれや!!」



(龍巳)「何だよ勇次、中二病とはひどいな、ただ俺たちは、わけの分からない会話をして、わけの分からないテンションになってしまっただけであって…」



(勇次)「中二病じゃねぇか!!」



(さくら)「うるさいわね勇次、銀拳で私に負けたからって八つ当たりはやめてくれる?」



(勇次)「そんなことでキレるわけねぇだろ!! ナメてんのかテメェは!!」



(さくら)「あー怖い怖い、「男のジェラシー」ってやつ? みっともないわ」



(勇次)「だから!! そんなことでキレねぇし!! てか言葉の使い所も違うし!!」



(龍巳)「まぁまぁ勇次、そんなカリカリすんなって、カルシウム足りてるか?」



(勇次)「……」



龍巳と出会ってから今までの中で、これほど龍巳を殺したいと思った日はなかった。


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