さくら木一本道
(龍巳)「さぁ、そろそろ真面目にやろうかさくヤン」
(さくら)「いいわよ、私の「天地滅裂(テンチメツレツ)」を見せてあげるわ」
(勇次)「コイツ、またコマンドに名前つけてやがる…」
中二病の二人はコントローラーを手に取り、キャラクターを選択する。
(さくら)「私は初めから「清八」と決まってるわ、さて、アンタは何を選ぶのかし……!!」
さくらが言葉を詰まらせ、唖然とする理由は、龍巳の選んだキャラクターが「パンダ」だからだった。
(さくら)「ぱ、ぱ、パンダですって!?」
(龍巳)「パンダは俺の相棒だよ、さくヤン」
(さくら)「ふざけんじゃないわよ!! ナメてんのアンタ!!?」
パンダごときで怒りだしたさくらだが、素人目に見れば、パンダの何がいけないのか分からない、
(勇次)「なにパンダで怒ってんだお前?」
すると、さくらは怒り狂った形相で勇次に説明し出した。
(さくら)「パンダはねぇ!! その可愛い容姿と「何でパンダが格闘やってんねん!!」というウケの良さから人気のキャラよ!! 分かる!!?」
(勇次)「……いや、知らねぇし…」
(さくら)「だけどパンダはねぇ!! その図体のデカさと動きの遅さから扱いが難しいキャラよ!! 分かる!!?」
(勇次)「……いや… だから知らねぇって…」
(さくら)「つまりパンダはねぇ!! あくまでネタで使われるキャラであって、使用されたらナメられてると言っても過言じゃないわ!! 分かる!!?」
(勇次)「……」
(さくら)「それなのにコイツは… 私に対してパンダですって!? 私をだいぶナメてるようね…」
(勇次)「……それでキレてるわけだな…」
説明してくれるのはありがたいが、その顔はやめて欲しいものだ。
(さくら)「まぁいいわ… 最終奥義「天王将烈(テンオウショウレツ)」をアイツにブチこんでやる!!」
(勇次)「出たコマンド奥義!! 中二くせぇ!!」
さくらはコントローラーを持ち直し、龍巳を指差した。
(さくら)「さぁ勝負よ!! 銀拳の神の前にひれ伏すがいい!!」
(龍巳)「パンダをナメるなよ、さくヤン!!」
両者中二病の戦いがやっと始まった。