狂暴わんこのひとり占め。
「…あんたのいとこになった覚えは無いけど?」
「紗希のために嘘ついたんだよ。女って怖いじゃん?」
笑いながら言う灯夜の頬は赤くなっている。
「被害なくて当然よ。 むしろ私は被害者だし! 手当ては自分でしてよね」
ドアを閉めて、洗面所へ向かう。
「え、なんか紗希 冷たくない?」
だって。
「あんたに優しくした覚えも無いけどね」
なんだかモヤモヤするの。
「そういえば、笑った顔もほとんど見ない。 ってか見たことない」
「知るか!」
正体不明なモヤモヤを洗い流すように、勢いよく顔を洗う。
あ、そーいや素っぴんで人前出ちゃったよ。
鏡を見て気付いた。
「…あのさぁ、さっきはごめんて」
機嫌を見かねたのか、謝ってきた。
顔を拭いてリビングへ向かうと、犬のごとく着いてくる。
「何がよ」
「寝起き襲ったことと、女問題 巻き込んだこと! ごめんネ?」
灯夜は顔の前で両手を合わし、上目使いで言う。
だぁから、それは駄目だって…。