この涙が枯れるまで


ピーという笛の音で、イルカ達は、水の中から出てくる。
見ていると楽しい気分になってくる。
百合も僕と同じ気持ちだろう。

この一秒一秒を大切にしたい。
百合との時間を大切にしたい。
百合という人間を僕に刻みたい。
すぐ百合を思い出せるようになりたい。


僕は…今でも百合を忘れてないよ。
百合との思い出が、過去を辿れば簡単に思い出せれるよ。



『楽しかったね~』


『な~!!来て良かったな!!この前はイルカショー見えなかったしな!!』



『そうだね!』



―間もなく閉館です…

館内アナウンスが流れる。


『百合写真撮んねぇ?携帯で』



『あっうん!』



僕は携帯を横にして僕と百合が入るくらいまで手を引いた。


『撮るよ?笑って?』


―カシャ…


うまく撮れた二人の写真。
僕の思い出の証拠。
僕達は帰りの電車の中ぶざけ合っていた。
僕は百合に携帯を向けて写真を撮りまくっていた。
その写真も保存をした。この時の百合を残しておくために。




『今日は楽しかった!!明日は博物館ね!』



『うん、また明日駅に10時な』



『うん!!じゃあばいばい』


『ばいばい』


百合は僕に背を向けて歩いて行った。
僕は後ろ姿の百合を写真に収めた。
明日も百合とデート。
思い出どれだけ増えるかな。



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