この涙が枯れるまで


百合は僕に嘘をついている。


僕は気付かないフリをしていたんだ。
僕がただ百合の隣に居たいだけ。
ただそれだけの理由。

僕は現実逃避をしているのかもしれない。
でも現実を見れないんだ。

自分はこんな弱い人間だから。


でもだんだん百合の嘘に嫌気がさす時がある。
隠すのも辛くなっていく。
僕は何を求めたいのだろう。
僕は百合に何をして欲しいのだろう。
願いは、百合の中で僕が一番。


でもこの願いは儚く散る。


それから僕は百合から避けて行った。



百合には気付かれないように少しずつ離れて行った。

百合の出す答えが知りたかったんだ。


少しずつ離れていって、僕の大切さに気付いてくれれば良かったんだ。


でも百合は僕が避けているという事は気付かない。


百合は僕の事なんて、どうでもいいのかな…
百合は滝川先輩の方が大事なのかな…


僕は毎日考える。


百合と付き合って最初の頃は、一日なんてすごく早かった。


今の一日はとても長い。


前と今とすごい差があった。


百合は気付いていましたか?


百合は今誰に夢中なの?


誰に気持ちは向いているの?



百合は…



百合は…




僕の事は嫌いですか?






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