シルバーウルフ -Is this love?-
……何事もなかった。



そんなカンジ。



フィリピーナは医院を出て行く。



出入口で俺に一瞥(いちべつ)を向けたフィリピーナ。その眼の色。既(すで)にオスを誘うメスの色だった。



裕太はフィリピーナから金もいただかずに帰したようだ。


感情移入も甚(はなは)だしいニセ医者。


大学病院の外科医になっていたら、遺体の前で遺族より大泣きするようなドン引きなタイプ。






「メイ、2階に上がってろ。」

メイの柔らかい右手を掴んだ。ペプシのボトル。手渡しながら俺は言った。



微笑んでいるメイ。頷いたメイ。俺は安らぎを感じた。メイの頭を優しく撫でてやった。








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