シルバーウルフ -Is this love?-
「どうした?えらく派手な包帯姿じゃねぇか?」

嘲笑(ちょうしょう)交じりで俺は言った。


と、同時にメイが医院の扉をゆっくりと閉めて出て行った。




「裕香と会ったか?」



「ああ。裕太は俺に何にも教えていないって、怒ってたぜ?」

2つ目の嘲笑交じりで俺は返した。



「裕慈、神父はもっと怒っている。」



「だから、お前が痛めつけられたってか?殺し屋1匹の管理不足。それでお前の頭をカチ割るなんて、ずいぶんと乱暴な神父だな。」

3つ目の嘲笑。言葉を吐くたびに金魚のフンみたいに着いてくる。「裕慈……、黙ってあのチャイニーズを裕香に渡してくれないか?」



「メイだ。お前にも名前を教えた。お前は返事もしなかったがな。」



「じゃぁ、裕慈、そのメイを裕香に渡してくれないか?」

メイのアクセントを強調して裕太は言った。



「裕太、まず先に今日の仕事の損害賠償金。そいつを神父からもらってこい。俺がメイのことを考えるのはその後だ。そうじゃなきゃ、お前らがいちばん困る一言を言ってやるよ。“殺し屋のストライキ”だ。俺はテコでも動かねぇぞ?」



「頼む!!裕慈。困らせないでくれ……。」



「裕太、お前は俺に隠し事が多すぎる。」

俺は裕太を睨(にら)み付けて言った。裕太は脱力感たっぷりにうつ向いている。



「教えるばかりが正しいことじゃない。知らないことがある方が良いこともある。」



「それは神父の教えか?お前の考えか?どっちだ?」



「お前のことは俺に任されている。だから、俺の考えだ。」

裕太は顔を上げて言った。



「お前の考えの中で俺は何も知らずにメイを拾った。そして、今、俺はメイを裕香に渡すつもりはない。お前が神父から与えられた管理責任の範疇(はんちゅう)のイレギュラーなだけだ。裕太、無知ってのは罪だな。俺を無知にしているのは、お前だけどな。」














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