シルバーウルフ -Is this love?-
あれから幾日も経った。



施設のガキ共と裕真を弾くって脅しが効いたようだった。裕太からメイを裕香に渡せって言葉は、ずいぶん前から消えていた。


そんな裕太は高田の緑のタイルのビルを神父が底値で買った話を俺に聞かせた。


だが、神父と親子だったって関することは、あれ以降、なんにも話さなかった。俺も聞く気にはなれなかった。


裕太の母親ってのを殺したことが、なんとなく、裕太へ痛い腹に思えた。逆に裕太も、俺にそんなカンジを抱いているように見えた。








やがて、新聞の一面に、裕真が文科省の新大臣に就任した記事が踊っていた。



文科省の管轄の文化庁。就任会見で宗教法人を扱う文化庁の大改革を真っ先にぶちまけた裕真。



その発言の賛否でテレビのコメンテーターたちの“ケンケンガクガク”で、液晶画面は賑(にぎ)わっていた。






俺には、神父のタクラミがボンヤリと見えた気がした。






赤いマーチはサイドミラーを修理した。車の交換はなかった。裕太の判断か?神父の判断か?それは、俺には分からなかった。



いずれにしても、あの日のことは裕香がもみ消したのは、間違いないはなさそうだった。





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