蜃気楼。
・・・結川!??
いきなりどーした!?

「だろーなぁ。」
「羨ましいです。貴方が。」
羨ましい!?俺が!?

「何で?」
「あんなに優しいお母様がいて。」
優しい!?
んん~、わかんね?

「幸せな人は、自分が幸せ者だという事に気付かないのです。」
そーだろーなぁ。
「でも、貴方は知っていました。」
「何を?」

「大体の人は、幸せ者ですね、
と言うと、幸せじゃない。と言います。

なのに貴方、知っていました。
自分が幸せ者だという事を。」

まー俺も色々あるし。

「結川は?」
「・・・・幸せです。」

そう言って、
切なげに微笑む結川。

「そっかぁ。」

それ以上は何も聞けなくて、
キッチンに目をやると、
ちょうど母さんが、紅茶を持ってきた。

「ハイ。」
そう言って、俺の前に紅茶を差し出す母さん。

「ありがとう。」
紅茶をすすると、
今度は甘く無かった。

良かった。


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