残像
一年の猶予


「亜美ぃ・・・っ」




「一緒に中学いきたかったよおっ・・・」




泣いているお父さん、お母さん、親友の桃花。




あたしはその姿を、空の上から見ていた。





あたし、桜木亜美は昨日、死んでしまった。・・・病気で。




入院中はたくさんの人がお見舞いに来てくれた。




治らない病気だと分かっていたのに、みんな、




「治ったらまた遊ぼ!」


「早く退院できるといいねっ」



そう言ってくれた。




結局あたしはみんなの優しさに何ひとつ応えられず、






死んでしまった。





あたしは何もできなかった。




だから、驚いた。




あたしに、一年もの猶予が与えられるなんて・・・。
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