溺愛キング
『おっおい!』


いきなり矢耶が動いたため態勢を崩しかけた。

それなのに、そんなことお構いなしに矢耶は


「類さんだ!うわぁー嬉しい!久しぶりですね!今日はどーしたんですか?てか結乃さんわ?」


類さんに会うのが久しぶりだから興奮してるんだろうな。

俺の腕の中から離れて行こうとしている。

けどそこまで嬉しがるか?


『矢耶、落ちるだろ。じっとしてろよ』


あえて冷静に返事した俺に対して


「藍、ちょっと煩い。ってそーじゃなくて!降りるから降ろして」

『やっ……ゃゃ……』


矢耶の反撃にまんまと負けてしまった。

けど、そんなこと許すわけもなく


「あっ藍!苦しい!そんなに強く締めないでよぉ〜〜ひゃぁっ!」

『そーか?きつく締めてないぞ。気のせいだって。てか、変な声出すなよ』

「ちょっとぉ!」


矢耶をもう一度俺の腕の中に閉じ込める様に抱き抱えた。

同時に抱きしめる力を強めたから矢耶が叫んだ。

離すわけないだろ。

痛いくらい抱きしめてやった。


「類さーん!助けて〜」

『矢耶、絶対逃がさねぇからな』

「もぉ、あーおー!」

『怒ってる矢耶も可愛い』

「ほんとに怒ってるのにぃ」
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