溺愛キング
「あお―――……」


まだ眠たいのか目を擦りながら俺の名前を呼び、きょろきょろしている。

ほんとかわいいなぁ。


「にやにやしてんなよ。藍飛、きもち悪ぃな。まっいいけど!矢耶ちゃーん、起きたー?」


尚弥が矢耶に駈け寄ろうとしたから、自分の足で尚弥の足を引っ掛けた。

案の定こけかけた尚弥は


「あっあっ!危ねぇ!」


知らないふりして矢耶の傍に行った。


『矢耶~』

「おい、藍飛ぉおおお!!!なにしてくれんだ!!!って、無視すんなよ!!!」

『矢耶、あいつ煩かった?ごめんな?体は大丈夫か?』

「へっ?あ…うん。大丈夫…だけど」

『まだ眠いか?もう少し寝とくか?』

「ううん、眠くない…けど、尚弥が」

『そっか、じゃぁそろそろ晩飯食べに行くか』


矢耶は尚弥を気にしてるけど無視。

頭を撫でながら今日の晩飯を何にするか考えていた。


「藍、謝った?」


首を傾げながら聞いてきた。


『あ―――……』

「まだ?ちゃんと謝って。ね?」

『しゃぁーねぇなぁー…尚弥、さっきは悪かったな。言い過ぎた』

「ふふっよくできました!」

「ゆっ許すけど!矢耶ちゃん!俺も褒めて~」

『矢耶は俺専用なんだよ』

「「「ははは!!!」」」


俺と尚弥のいつもの言い合いに戻り、みんな飽きれた様な笑いをこぼした。


『矢耶、おいで』


腕を伸ばして矢耶を抱き起した。



「なんだー?今日は何かの日なのか?やたら騒がしいな」


いきなり、その場には居ないはずの人の声がした。


「類さーん!」


俺の腕の中に居た矢耶は身を乗り出して人物の顔を見た。
< 146 / 269 >

この作品をシェア

pagetop