溺愛キング
とりあえず、家から出来るだけ遠いとこに行かないとダメだよね。

考えてたら時間の無駄!

走ろっ!


少し高い丘に辿り着いた。

小さな公園があり中に入ると、猫が通れる様な小さい道があったから、草を書き分けた。

すると…

クローバーが一面広がり、この町を見渡せる場所があった。

大きい木の下に座りもたれた。


ここなら大丈夫だね。

公園に入って来ても分からないだろうし。

無謀なことしたなって思うし、矢耶も悪いと思う。

あんなちょっとのことで怒っちゃった。

さすがに家出まではしなくてもよかったよね。

けど、少し頭を冷やしたかったんだよね…

藍のことだから、すぐに探しに来るはず。

嬉しいけど、今は一人になりたいもん。


てか、寒いっ!

夜の十時だし…

電灯の明かりだけでは少し怖い。

やっぱこんな時間に家出するんじゃなかった。

昼間とかにすればよかったなぁ、なんて思う。

結局は家出する気だったみたい。


遠くからやたらたくさんのバイクの音が聞こえきた。

けど、こっちに向かって来る音ではない。

あちらこちらから聞こえてくる。


もしかして藍…

eagleの人達にも探してもらってるの?

…………………最低!

自分が悪いのに、何してんの。

せっかく落ち着いてきたのに、またムカムカしてきたし!
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