溺愛キング
『お邪魔しまーす』

「矢耶、手、洗うぞ」

『はぁーい』


玄関で靴を脱ぎ手洗い場に向かった。


今日は海亜の両親はいないんだって。

実家に里帰りしてるらしい。

だから、矢耶を泊まりに連れてきたかったんだって。

先約があったみたいだけど…

もちろん、先約は翼だけど。


「さぁ、買ってきた食材で御飯つくるか!」


海亜が腕まくりし、キッチンへ向かう。

矢耶も海亜の後に着いて行く。


「ストーップ!はい、矢耶は来なくていーからね」

『えぇ!!なんでー?』

「藍飛がうざい」

『なんで藍が出てくるの?』

「いちいち心配して見に来るか、ずっと横に居るか、どっちにせよ邪魔なのよ!だから、矢耶も来なくていーわよ!」

『えぇ!!そんな理由?!』

「当たり前よっ」


海亜の言葉にシュンと肩を落とした。
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