溺愛キング
「矢耶、起きれるか?」


もう朝だって分かってるのに、起きれない。

ううん、頭は起きてるけど、体が動かない。

今日が土曜で良かったぁ。


『無理!誰かのせいで起き上がれないよっ!』

「仕方ねぇじゃん。今更だ」


何でそんなにニコニコしながら言うの!

反論したくても、出来ないじゃんか〜

腰がものすごく痛い。


『動けない〜』

「朝ご飯用意してくれたって。ほら、俺の首に腕回せ。連れて行ってやるから」

『当たり前だよ!藍が悪いんだからね!』

「ハイハイ」

『もぉー!』


抱き上げられ、リビングまで運ばれる。


「あ、矢耶、おはよー」

『海亜ぁー』

「どうしたの?寝相悪かった?どこか打った?」

『違うよ〜』

「ふふふ、分かってるわよ!」


何か、昨日の今日だから二人を直視できない。


「矢耶、牛乳でいいよな?」

『あ、うん。翼、ありがとう』


藍にソファーに下ろしてもらい、パンをかじる。


さっきから、翼が気になってしょうがない。

昨日のことで…


「ん?何かついてる?」

『う、ううん!何にも!』

「分かりやす」

『藍、うるさい!』

「?」


翼は矢耶達の会話が分かってないみたい。

当たり前だけど。

けど、気になる〜



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