溺愛キング
総長と副が自ら進んでやってんだから、下っ端のやつも見習う。

赤点取ったら、eagleでは一週間の謹慎。

結構シビア。

だから、みんな必死に勉強する。

まぁ、この学校で赤点取る方が難しいかもな。


『藍〜帰るよ〜』


矢耶が俺の鞄を持ち、立ち上がった。


「あぁ」


もう暗くなってきたから、最近は車で帰宅。

学校の近くに停めてある車に乗り込んだ。


「溜まり場寄るわ」


心にそう告げた。

そういえば、あの禁止令の一件後に、心に怒られた。

矢耶が転けそうになったこと気付かなかったから、俺の態度が悪かったから。

まぁ、そんなことを三時間もネチネチ言われた。

矢耶を可愛がってるやつは、俺に容赦ない。


「溜まり場で何かするの?」

『まだ帰っても早いだろ?溜まり場で勉強するぞ』

「えー、さっきしたのに?」

『まだまだだ。俺らは賢いからいいけど』

「矢耶は馬鹿って?」

『そんなこと言ってねぇ』

「別にいいもん。いい点取ってみせるもん!」

『いつもより良かったら、ご褒美やるから。頑張ろう。な?』

「うんっ!」


あー、その笑顔たまんねー。


「二人共着いたぞー」

「心ちゃん、ありがとう!また明日ね〜」

「おぉ、勉強頑張れよー」

「はぁーい」


矢耶は心に手を振り、俺らは溜まり場へと向かった。

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