溺愛キング
部屋には南がいた。


「あ!南だー!」


スキップしながら矢耶は南に突進した。

案の定、後ろから矢耶が南の背中に追突したため机に頭をぶつけた。


「いてー!」

「きゃぁー!」


二人の声が重なり煩い。


「南!ごめん!うわぁー、頭大丈夫?」


その言い方、聞き方によればいろいろ問題があるよな。


「痛いけど、大丈夫だよ」

「頭可笑しくなってない?!」

「あはは、そこまでヒドい打ち方はしてないから」

「良かったぁ」


矢耶は南の頭を撫でた。


『矢耶、勉強するぞ。来い』


撫でていた手を掴み、引っ張って行く。



「わぁ!転けちゃう!」

『転けても抱き留めるから安心しろ』

「そういう問題じゃ…」


南は後ろでクスクス笑ってる。


「ほんと嫉妬深いやつだな」

『南、うるせー』

「はいはい。今日尚弥は居ないから、邪魔は入らないよ。だからごゆっくり〜俺はいちをここに居るから」

『あぁ』


ひらひらと南は手を振った。

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