溺愛キング
「南の頭痛そうだった〜」

『南はいいから、ほら座れ』


矢耶を膝の上に座らせる。


「勉強するんじゃなかったの?」

『やっぱやめとこ。帰るまで矢耶といちゃいちゃしたい』

「今日の藍は甘えん坊だぁ」


よしよしと矢耶は頭を撫でてくれた。

さっきのことを思い出す。


『俺以外のやつに、頭撫でるの禁止。俺だけの特権』

「ふふふっ……藍、かわいいね〜」


矢耶の撫でる手がキモチイイ。

調子にのって、矢耶の左耳を甘噛みした。


「ひゃぁ」

『テスト早く終わってほしい』

「?」

『テストが俺らを邪魔する』

「あはは!藍ってばぁー、真面目な顔してなに言ってるの?」

『ほんとだろ?テストさえ無ければ…』

「一週間とちょっとじゃん!いい点取ったらご褒美くれるんでしょ?」


ニコッと矢耶は首を傾げて微笑んだ。


『ん゙ー…』

「もぉー、矢耶だって藍といちゃいちゃしたいよぉ?」

『ややぁー!』

「今日の藍、ほんと甘えん坊さんだね〜」


矢耶をぬいぐるみかの様に思い切り抱きしめる。

こんなとこ、面子には見せられねぇよな。

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