溺愛キング
「八重さーん!哉人さーん!ご無沙汰してまーす!」


透き通った声が重たい空気の中を通り抜けた。


「あらっ絢那ちゃん!こっちに来るの遅れるって言ってたのに、早かったわね!最近ぜんぜん顔を出してくれなかったから、寂しかったわ」


お母さんが手を叩きながら絢那ちゃんの側に行った。


「すいません!大学の方が忙しくて顔出せませんでした」


舌を出してやっちゃった!という顔を見せる絢那ちゃん。

めっちゃ可愛い~

なんか矢耶もガールズトークに入りたくなった。

だから藍の腕から離れようと立ち上がろうとした。


『きゃっ!』


お腹に回ってた腕が勢いよく体に巻き付きより一層抱きしめられた。


「どこ行くんだよ」


不機嫌だけど、どこか楽しそうな声で藍は聞いてきた。


『どこって…矢耶もお母さんと絢那ちゃんと喋りに行こうと思った』


藍が何を言いたいのかまったく理解できない。


「ほんと?じゃぁ女子三人でティータイムしましょっ」


絢那ちゃんが目をキラキラさせながら矢耶とお母さんに聞いてきた。

そう言えば、確か藍が買ってきたプリンがあるはず!

それを一緒に食べよっ。


『矢耶も賛成~藍が買ってきたプリンも一緒に食べるー』

「はっ?矢耶、俺と一緒に食べるんじゃないのか?!」


藍がいきなり大きい声を出して肩を掴んできた。


『今日はガールズトークデイなの!だからごめんね!』


楽しさのあまり藍の機嫌が悪くなっていることに気付かなかった。




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