華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
「嘉、」
低い声で、蓮士が言った。
声をかけられた嘉は
「あちゃ〜。」
なんて言ってる。
だけどふと目に入った嘉の目は鋭く、冷たいものだったから
何かあったんだ、
そう思った。
「出ようか。待ってるみたいだし。
祐介‐ユウスケ‐さんは侑希ちゃんと一緒にいて下さい。」
嘉がそう言うと、5人が車から降りて私は運転手の祐介さんと2人になった。
車はきっちりと閉められたけど、私は耳を澄ませば外の声くらい聞こえる。
だから外の会話を聞いた。