「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー
売り場には、次第に家族連れで混雑し始め、あちらこちらで子供の話し声や赤ちゃんの泣き声が聞こえてきて、静かだった店内は一気に賑わってきた。
それに比例するように、商品が置いてある棚は服が散らばりレジ打ちをしながら商品整理に追われた。
そんな状況が続いた昼下がりの午後。
少しだけお客様の客足が減ってきて服を畳ながらフゥーと肩の力を抜いた。
「きょうお客さん多いね」
隣で商品整理しながら少し疲れた声で呟く茜に、そうだねと頷いた時だった。
「ごめん、誰か1人紳士服のレジ手伝ってくれないかな」
赤坂さんが額の汗を拭いながら申し訳ないけど頼めないかなと言いながらやってきた。