「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー

「お前さぁー…」


不意に和利がポツリと呟いた。なに?と少しだけ近づくと「いつまでいるの?」早く帰れとでも言いたそうに瞳だけ動かして横目でチラリと見た。


その瞳は、まるで壊れたガラスのようでー…近寄るとこっちまで傷つけられそうな危なさ。



沙織には「あたしに任せて」なんて格好をつけて言ったけど


正直…何を言ったらいいのか分からない。

絶望と敗北。崩壊…。

そんな言葉が今の和利にはピッタリとでもいうのだろうか…。


「もう…帰れよう…」


今度はあたしの顔も見ないで朦朧とした表情でポツリと呟く和利。


ただ黙って変わり果てた彼の姿を見守ることしかあたしにはできないのかな…?


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