「I Love You」をキミにー秘密のオフィスラブー

「I Love You」をキミに…。


【沙織side】


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「どうぞ…」


カズくんが去ったあと、あたしは誠さんを自分の部屋に通すことにした。


カズくんが言う通り、誠さんにちゃんと話た方がいいのかもしれない。


けど…正直なところ、誠さんがあたしの妊娠を知ってどんな言葉を言うのか考えると怖くてたまらない。


優しい誠さんのことだから、きっと受け入れてくれるかもしれない。

初めはそう思っていた。

だけど、もしもそうじゃなかったら?

拒絶されたらどうする?


人の心に確かなものなんて何もない。

信じていた人に裏切られることだってあるのだから。



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