腕いっぱいに抱きしめて


何かはわからないけど、あたし今苦しいの。



辛いの。痛いの。



…胸が。




何でよ。



田村の顔が走ってる姿が全てが頭から離れないの。



何でよ。



馬鹿馬鹿馬鹿。



あたし結局…



田村のこと忘れられてないんじゃん。



だけどもう遅いよ。



あたし汚れちゃった。



最低だ、あたし。



「登録料金の1万ちょうだい」


「へ?」


「ゴメン。言い忘れてた」


そういわれ、カチンと来たけれど、もう思考停止に近かった。



気付いたら1万渡してた。



どうやってかえってきたか覚えていない。



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