新撰組~変えてやる!!

 「なんだ…?総司が反対するとは、驚いたなぁ…」

 手をあげたのは沖田だった。

 「私は…小宮さんに、そんな役が勤まるとは思えません。第一、小宮さんは私達と違って壬生浪士組だった頃からいたわけではありません。こんな、いきなり昇格などおかしいではありませんか!!どの程度剣術が出来るかは知りませんが、気心の知れない自分よりも弱い人間は認めません!!」

 部屋の中にいる誰もが、呆気に取られたことだろう。葵だけは肩を震わせて、笑いをこらえていた。

 「……沖田さん。それならば、勝負しましょうよ。俺があなたよりも強ければいいのでしょう?行きますよ。俺を侮辱し、本気にさせた罪は、軽くはありません。」

 葵の言葉にいち早く反応を示したのは、土方だった。葵は口元には笑みを浮かべていた。

 「総司…やめておけ…さすがにお前でも……」

 「嫌です。…いいですよ、小宮さん。勝負しましょう。」

 沖田も口元に笑みを作った。この中で、葵の実力を知っているのは土方、近藤、藤堂、斉藤だけである。

 「皆さんも見てはどうですか?一緒に行きましょう。」

 葵は不敵な笑みを皆に向けてから、部屋を出て行った。



 道場では隊士たちを隅に寄せ、葵と沖田が木刀を握っていた。周りには先程まで土方の部屋にいたメンバーがいる。

 「いいんですか?後悔しても知りませんからね。」

 「沖田さんこそ。その言葉、そっくりそのままお返ししますよ。」

 葵は木刀の重さを確かめるように振っていた。

 「よし。始めるぞ。………始め!!」

 土方の声に葵の纏う空気が変わる。近づくだけで切れそうな程に、張り詰めた空気に…。一方沖田は何も変わらない。

 「…行きます。」

 葵は沖田を見据え、下段に構えた。沖田は薄く笑った。


 
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