トレイン
衝撃の一言だった。まさかリカの口からそんなセリフが出るなんて。一瞬頭の中がフリーズする。
「本気でいってるのか?おれは、お互い嫌いでもないなのに別れたくないよ」
張りつめた沈黙の先でリカの心が揺れているように感じた。僕は続けていった。
「おれは、ずっとリカのことが好きだよ。このまま変わらず続いていけたらなって思ってる。まだハッキリとはいえないけど、その先に結婚があるなら一緒になりたいとも思ってる。リカはそれじゃダメか?本当におれと別れたいのか?」
責め立てるような口調ではなかったと思う。僕は今ある正直な自分の気持ちをリカに話した。いつの間にか頬からは涙がこぼれ落ち、僕の声は上ずっていた。携帯からは、リカのすすり泣く声が漏れてくる。
「イヤじゃないよ。イヤじゃないけど・・・・・。ごめん、何か大事なもの無くしちゃいそうな気がする。やっぱり今答え出すのはやめよう。自分から言い出したしといてごめん。やっぱり今のままでいよう」
「うん。わかった今度会ってゆっくり話そう」
話しはそこで終わった。突然の別れ話。僕はリカの真意をそれ以上追求することができなかった。