Distance-近いけど遠い存在-
「とりあえず…逃げますか」



頷くと私達は一斉に玄関に向かって走り出した。


たった今きたばかりの道をまた逆戻りだ。



今日は一体何回走るのだろうか?

美樹は頭の中でそうつぶやいた。


「よし、誰もいない。走れーっ!」


由香が叫ぶと同時にあたし達は特攻隊のように校門に向かって一直線に走る。



校門を抜けると、少し休憩した。

「由香早過ぎ。私ついていくの大変だったよ」



それもそのはず、由香は陸上部の短距離のエースだった。


「ごめんごめん!それはそうとこれからどこ行く?どっかで時間潰さなきゃ」


「そうだねー。とりあえず渋谷にでも行きますか」



私達は若者の聖地、渋谷へ向かった。
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