指輪

それから4日が経った。

吹っ切れたって言ったらもちろん嘘になる。
未練だらけだけど、この4日間は泣いてない。
気を紛らわすように頑張ってきた。

今日で別れてから1週間。

指輪は外せないままあたしの薬指にある。
結局外せなかったけど、それも今日で終わりにする。

薬指に光るそれに触ってみる。
色んなことが走馬灯のように頭の中を巡ってる。

今にも涙が零れ落ちそうだったけど、涙が落ちる前にいとも簡単に指輪はあたしの指から抜けてしまった。

これで本当の本当に終わり。

ごめんね。
勝手に繋がったままで。

「本当に…ありがとう。」

ひとり呟いた。
涙が出ないように深く、深く、深呼吸をした。

外した指輪を封筒に入れて、丁寧に琢磨の家の住所を書く。
そして、近所のポストにいれた。

もう2度と会わないって誓うよ。

本当に終わったんだ。
< 11 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop