指輪
次の日あたしはいつも通り学校へ行った。
行きたくなったけど、きっと行った方が気が紛れるから。
今日は5限まであったけど、定時より30分も早く講義が終わった。
さすがに昨日の今日で平然としてるのには精神的に疲れた。
だから、早く帰れて良かったなんて思ってたら、後ろからかけられたよく知った声に振り返った。
「優ー衣、これから暇だったりしない?」
声の主は美咲だった。
「うん。暇だよ。なんかあるの?」
あたしが答えると、美咲はにんまりして言った。
「良かった!今日ね、うちのサークルの飲み会なんだけど、女子があたし一人しか来れなくて、どうしようかと思ってたんだ。」
どうやら飲み会のお誘いらしい。
「でも、あたしサークルの人知らないよ?いいの?」
あたしはサークルに所属していない。すると美咲は
「いいのいいの。正式な飲み会じゃないし、さすがに5対1はキツいもん。」
と言ってきた。
飲み会なんて久しぶりだったから、あたしも快く承諾したんだ。