青騒のフォトグラフ―本日より地味くんは不良の舎弟です―
「今度ケイちゃーんの為に僕ちゃーんの取っておきAVを貸してあげるから。鑑賞会でもしよっか?」
「ッ、はいいぃい?!」
「とっておきのオカズになるでしょ。なんなら響子ちゃんも見っッ?!」
ワタルさんの腹部に響子さんの跳び蹴りが入った! い、痛そう。
冷汗を流す俺は、横腹を押さえるワタルさんを一瞥。
そして青筋立てている響子さんにも一瞥。
口元を引き攣らせている響子さんは、関節を鳴らしながらワタルさんにガンを飛ばす。
「うちがあンだって? クッダラネェことほざいているんじゃねえよ」
「イタタタッ。響子ちゃーん、暴力は良くないよんさま。お嫁さんに行けないよんさま。あ、響子ちゃんはお婿ッ――!!」
あああッ、決まった! ハイキック! ワタルさん、その場に倒れて響子さんのKO勝ちィイイ!
………改めて俺は胸に刻んでおこう。
響子さんを絶対怒らせてはいけない。逆らってもいけない。
馬鹿なことをしようものなら、俺はこの世から抹消されてしまう。
哀れなワタルさんに合掌しながら俺は心に誓った。
あと、ワタルさん、一体全体何しに来たんだろう。暇潰し? とにかくご愁傷様でした。