青騒のフォトグラフ―本日より地味くんは不良の舎弟です―



甘酸っぱい青春恋愛を望んだっていいじゃナーイ!


官能チックなことを彼女とするなんて、俺、まだまだまだまだ先だって思っているんだから!


まったく今時の子はすぐにえろっちいに走る!

性欲を暴走させてどーするの! 世の中、あっはーんうっふーんだけが恋愛じゃないだろ!


子供でもいい。

俺はココロと健全にお付き合いしたい。


キスで十二分に満足している。


っつーか、そういうことが想像つかない。まったくもって……とか、思っている場合でもなさそうだ。


倉庫部屋に敵であろう不良達が入ってくる。


俺達は急いで奴等の脇をすり抜けて店内に戻った。

満目に広がったのは俺達を援護してくれるダブル舎弟とその仲間達の勇姿。騒ぎを聞きつけたのか、仲間の誰かが呼んでくれたのか、向こうの協定チームを相手取ってくれている。


「急げ!」


蓮さんが俺達に外に出るよう指示。

俺達以外の仲間は既に外に出たらしい。


「上で和彦さんと涼が待っている! 此処は俺達が受け持つから、勝って来い! 荒川チーム!」


少林寺拳法を習っていた蓮さんは軽い身のこなしで相手に裏拳をかましている。

肩を並べるように、桔平さんが向こう不良に向かってテーブルをぶん投げていた。


もはや喧嘩と称するより乱闘の中の乱闘だ、店内はしっちゃかめっちゃかになっている。


援護してくれる彼等に礼を言って俺はヨウと細い通路階段を駆け上がった。


二段越しに駆け上がった先、眩しい太陽が俺達を照らし出してくれる。

仲間達は俺達の姿を確認すると、急いでこっちに来いと手招き。

「無事だったか」

シズがあまりに遅いからヤラれたのかと思った、なんて冗談と悪態の両方をついていくる。


「野暮用でちょいな……」


言葉を濁しつつヨウは、日賀野達の行方についてチームメートに尋ねた。  

それが分からないのだと響子さん。

苛立ちを募らせながら今、弥生が利二と連絡を取って居場所を突き止めようとしていると教えてくれた。



「おおよそ、こっちの体力を消耗させてぇんだろうな。
姑息な策略はあいつ等の考えそうなことだが……どうやらアキラやホシが負傷しているみてぇだ。ヤマトなりに仲間を想っての行動だろ」



響子さんの意見になるほど、と俺は頷く。


日賀野って身内に対しては超優しいみたいだからな(俺達にはすこぶる鬼畜ですが)、魚住やホシの怪我を少しでもカバーしようと俺等の体力を削る戦法に出ているのか。


しかし弱った。


奴等が何処に行ったか見当を付けないと。

なるべくこっちも体力を極力温存しておきたい。


特に俺はチャリだ。


長時間漕ぐことになったら、体力の消耗が尾を引く。

こうしている間にも奴等は住宅街その他諸々の場所に身を隠して体力を温存してるに違いないぞ。早く手を打たないと。



「くっそ! 俺っち、愛海と勇気を仕留められなかった!」



右の拳を左の手の平で受け止めてキヨタが顔を顰める。

負傷はして無さそうだけど、随分悔しい気持ちを噛み締めているようだ。



あの紅白饅頭双子兄弟はキヨタをギリギリまで足止めをして仲間を外に逃がす役目を担っていたっぽい。


あの二人の妨害がなかったら容易に逃がすことは無かったのに、地団太を踏むキヨタに俺は微苦笑を零す。


俺的にはお前が無事な方が安心だけどな。

二人相手にしようとするお前は勇敢過ぎるっつーの。


こっちの肝が持たないや。


「五木から連絡!」


携帯で会話していた弥生が俺等の会話に加担してきた。



「三丁目交差点近くのスーパーで日賀野達を目撃したって! それから東の方角に進んでいるらしいんだけど……あ、今、古本屋を通り過ぎたらしいよ。五木を率いるグループが日賀野達を尾行してくれてるみたい。でも撒かれそうって」


 
三丁目交差点近くのスーパー。東の方角に進んでいて古本屋を通り過ぎた?


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