【コメコン2】ブラックアウト症候群。
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「見て!マイク!星がとっても綺麗よ!」
「あぁ、本当だ。でもジェシカ、僕はとっくに綺麗な星を見つけているんだ。そう、この夜空に輝く星すら霞むくらいに綺麗な星をね」
「まあ、そうなの?どんな星なのかしら!」
「それは……キミだよ、ジェシカ」
「マイク……」
「マイクとジェシカっつーのが誰なのか知らねェがお前等が救いようのないバカだっつーことはよくわかった。
帰れ。」
人ン家のベランダで意味不明な茶番を演じているバカ2人に俺はそう吐き捨てる。
するとマナミがジェシカとは打って変わって、腰に手を当てて言う。
「あーら、せっかく来てあげたって言うのにそんなこと言うんだー」
「誰も来てくれとか頼んだ覚えねェよッ!!」
「おいおいシオン。お客人になんてこと言うんだ!」
「黙れミドリムシお前なんか冬場のプールで一生浮遊してろよバーカッ!!」
「なんという切り替えし!!俺今すっげえ感動した!!ぎゃははははははッ!!」
バカには何を言っても無駄だということを痛感した。
人ン家のベランダで笑い転げているこの笑い上戸をどうしてくれようか。
ベランダから投げ捨ててもいいだろうか。
と、コンパスをギリギリと握り締める俺を宥めるように、ミオンが前に出た。