ひとかけらの恋
そして、あっという間に二人の体はずぶ濡れになっていく。


だけど、二人共その場を動かずに黙っている。



「じゃあ私………、帰るね?翔も早く体育館の中に入らないと風邪ひいちゃうよ。……バイバイ…。」



私はそう言って、体育館の方に向かって走り出した。

だけどその足取りもだんだん重くなり、私は雨の中で立ち止まった。




ザァァァァー!!




さっきまで聞こえていた木の葉がこすれる音は聞こえず、今は雨の音しか聞こえない。



「…………ヒック!…………ヒック!」



どうして涙が出るの…?


自分から、翔から離れようって決めたのに…。


ココロが嫌だって叫んでるよ…。


私………、なんで逃げてばっかりの恋してるんだろう。


翔から離れるのだって……、自分が傷付きたくなかったから…。


だから、離れた。





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