車輪の唄
それからしばらくしてお母さんが帰ってきた。
部屋のドアを開けて、お母さんは私に何か言ったけれど私は音源を聞きながら途方に暮れていた。
流れるような曲調に、魂まで持っていかれそうだった。
いや、むしろ持って行って欲しかった。
どうしてことごとく私に上総の影がチラつく事象が起きるのか…
頭の中はパンク寸前、考えがまとまらなくなっていた。
とりあえず主任にこの音源を渡す所から入らなければ仕方ないと、それで一通り考えた結果は落ち着いた。
「江夏…??食べないの??」
ふとお母さんの声で我に帰った。
ドアからお母さんが覗きこんでいる。
「ご飯、できたよ」
「あっ、ゴメン今行く」
コンポの電源を落として、居間へ出て行った。
お母さんは仕事着のままだった。
今日の作業着は赤だった。
私はマザコンではないが、お母さんの作業着姿は大好きだ。
女だてらに、ニッカが似合う。
頭にタオルを巻いて、ニッカを履いて、泥と鉄粉だらけのお母さんが一番好きだ。
部屋のドアを開けて、お母さんは私に何か言ったけれど私は音源を聞きながら途方に暮れていた。
流れるような曲調に、魂まで持っていかれそうだった。
いや、むしろ持って行って欲しかった。
どうしてことごとく私に上総の影がチラつく事象が起きるのか…
頭の中はパンク寸前、考えがまとまらなくなっていた。
とりあえず主任にこの音源を渡す所から入らなければ仕方ないと、それで一通り考えた結果は落ち着いた。
「江夏…??食べないの??」
ふとお母さんの声で我に帰った。
ドアからお母さんが覗きこんでいる。
「ご飯、できたよ」
「あっ、ゴメン今行く」
コンポの電源を落として、居間へ出て行った。
お母さんは仕事着のままだった。
今日の作業着は赤だった。
私はマザコンではないが、お母さんの作業着姿は大好きだ。
女だてらに、ニッカが似合う。
頭にタオルを巻いて、ニッカを履いて、泥と鉄粉だらけのお母さんが一番好きだ。