夜の街、蝶が舞う
私は、ため息をついた。
私に本当の友達はいない。
みんな偽善者ばかりなんだ。
―放課後。
「あっ、
皆瀬くんっ」
私の横を通る皆瀬くんに声をかける。
皆瀬くんは私の彼氏だ。
「…何?」
「あのさ…今日一緒に帰れないんだ」
「今日もだろ?
気つけて帰れよ」
皆瀬くんは私の頭をポンポンとたたいた。
皆瀬くんは優しい。
皆瀬くんは優しい。
だけど私は
皆瀬くんでさえ、
裏切ってるんだ。