君想論 〜2人のサヤカ〜


暫くして、[梧 清花]は杖を使って椅子から立ち上がり、そのままツカツカと教室を出て行った。

どうやら図書室に向かったらしい。

本音を言うとすっぽかしたいのだが……


(行かなきゃダメか……)


ヤダなぁ……ホント……

オレは通学鞄を肩に背負い、部活動に向かう準備を始める生徒達の横をそそくさと通り過ぎ、教室を出ようとした。

その時である。


「待て、桐野」


SHRを終えたばかりで、まだ教壇の上に立っていた人物に突然呼び止められた。

桐野くんはそれを華麗に無視してそのまま廊下に出ようとしたが……


「だーから待てっつの」


逃げようとした桐野くんを早足で追いかけ、右肩をガシッと掴まれちった。

全く、何の用なんだい……??


「何スか板倉先生……??」

「人が呼んでるのに何ちゃっかり帰ろうとしてんだよ」


帰るワケじゃないしー、ちょっと図書室に行ってくるだけだしー。

などと揚げ足を取っても意味がないので、


「用事あるなら手短にお願いしますよー??下手するとオレの今後の学校生活に関わることが人質にされてんだから……」

「……何の話だ……??」


少し眉を寄せる担任・板倉だったが、「まぁいい」と一蹴し、本題に入った。




「お前に話がある。あとで職員室まで来てくれ」

「やだ」

「ここでは少し話し辛いことなんだよ」

「やだー」

「いいか??絶対だからなー!!??」


だから、「やだ」っつってんでしょもぅ!!!!


「オレ、先約があるんですってばー!!!!どーせ大した話じゃないんだからまた別の機会で良いじゃないですかー??」

「勝手に決めるな!!!!そう言ってお前はいつもはぐらかして帰ってるだろ!!??この前言いつけた、体育館裏の草むしりだってそうやったサボったんだろうが!!!!」


だから、それについてはこの前散々説明したでしょ!!??

生理痛が酷かったんだってばぁ!!!!!!


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