チャンピオン【完】
ふぅん... 。
私は後ろ手を組み、大きな彼を下から見上げた。
「で、あんたの秘密ってなに?」
そう言われると、気になる。
「秘密だから、教えられねえな?」
私は真剣に聞いたと言うのに、悪戯な笑みに誤魔化されてしまった。
映画はたまたま時間のタイミングがあったものを、なんとなーく見ることになった。
『感動巨編!』の謳(うた)い文句通り、クライマックスで私は思わず涙していた。
だって、死んじゃった飼い主を待ち続けるワンコが、あまりにも健気なんですもの!
でもやべ、こんなので泣いたところ見られたら、貴丸にバカにされるんじゃね?
見られていませんよーに。
恐る恐る横目で見た彼は、派手に口を覆って俯いていた... 。
あ、あり得ねー...ゾッとしたわ!
涙ぐんでいたはずの私の心は急激に冷め、頬がひきつった。